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2025.03.18The Shakespeare Festival

2025年度シェイクスピア祭開催のお知らせ

2025年度シェイクスピア祭(日本英文学会・日本シェイクスピア協会共催)の予定は以下の通りです。一般公開(事前予約不要)で無料です。お誘いあわせのうえ、奮ってご参加ください。

 

日時:2025年4月26日(土)13:00~16:40

場所:立正大学品川キャンパス 11号館5階1152教室

  [東京都品川区大崎4—2—16](詳細はこちら

 

  最寄駅からのアクセス

  ■JR大崎駅から徒歩6分程度

  ■JR五反田駅および都営浅草線五反田駅から徒歩10分程度

  ■東急池上線大崎広小路駅から徒歩2分程度

 

プログラム

13:00 開会の辞 佐藤 達郎(日本シェイクスピア協会会長・日本女子大学教授)

13:10 講演 井出 新氏(慶応義塾大学教授・日本シェイクスピア協会元会長)

    「「成り上がり者の烏」と「マーリン一族」─シェイクスピアとライバル詩人たちの1590年代」

14:40 休憩

15:00 トーク 森 一氏(俳優/演出/翻訳・劇団俳優座)

テーマ「俳優座のシェイクスピア」

聞き手 近藤 弘幸氏(東京学芸大学教授)

16:30 閉会の辞 阿部 公彦(日本英文学会会長・東京大学教授)

 

講演要旨 「「成り上がり者の烏」と「マーリン一族」─シェイクスピアとライバル詩人たちの1590年代」

 シェイクスピアが余りにも有名なので、私たちは彼を孤高の劇作家・詩人と考えてしまいがちですが、実際は、先輩作家の影響を受けたり、新進気鋭の作家の擡頭で心乱れたりと、同時代人たちとの関係性のなかで数々の作品を生み出しました。ライバルがシェイクスピアを創ったと言っても過言ではありません。本講演では1590年代前半、どのような人的ネットワークからシェイクスピアが詩人・劇作家としての頭角を現すのか、様々な史料を参照しつつ推測してみたいと思います。

 

トーク要旨 「俳優座のシェイクスピア」

 森一さんは、所属する俳優座の他、さまざまなカンパニーで俳優および演出家としてご活躍です。シェイクスピア作品にも数多くかかわっておられますが、とりわけ近年では、俳優座での、『マクベスの悲劇』(2020)の演出と『慟哭のリア』(2024)への出演が挙げられます。前者は、今回のトークの聞き手の近藤弘幸さんの新訳を用いたもので、おそらくコロナ禍前の東京での最後のシェイクスピア上演となりました。後者は、俳優座の80周年を記念した公演で、『リア王』を、日本の架空の炭鉱町を舞台とした母と息子たちの物語に置き換え、リアに当たる人物を92歳の岩崎加根子さんが演じたことで話題を呼びました。森さんは道化とグロスター伯を集約したような与平という使用人を演じました。本トークでは、これらの作品を中心に、千田是也さんの思い出話などを伺っていきたいと思います。

 

*************** 講演者プロフィール ***************

 

井出 新(いで・あらた)氏

慶應義塾大学文学部教授、日本シェイクスピア協会元会長。これまで16〜17世紀イギリスの演劇、文化、及び宗教を広く研究対象としてきた。ここ数年は書物史の研究を進めている。近年の著書としてLocalizing Christopher Marlowe: His Life, Plays and Mythology, 1575–1593 (D. S. Brewer, 2023) 、『シェイクスピア、それが問題だ!』(大修館書店、2023年)、編著『大修館シェイクスピア双書第二集 冬物語』(大修館書店、2023年)、主要論考 “Residual Images in the Borders: Reading Paratext in Christian Prayers and Meditations (1569)”, Huntington Library Quarterly 87.1 (2024) など。

 


森 一(もり・はじめ)氏

桐朋学園演劇専攻科卒。在学中は千田是也、田中千禾夫に師事。1978年劇団俳優座入団、千田是也演出作品に多く出演。200011月より文化庁在外研修員として1年間、英国王立演劇学校(シェイクスピア・コース、アレクサンダー・テクニック、演出をニコラス・バーター氏)に学ぶ。帰国後は劇団俳優座演劇研究所にて講師、その後所長を務める。佐藤信氏、デビット・ルボー氏等の演出作品に俳優として参加。演出者として主に劇団俳優座の公演を創造。